ロゴ制作|最後のロゴ
毎日ひとつずつ物語を紡いでいきます。

あるお昼さがり、蝶々が飛んできて、蜂に言いました。

あっちの森は甘い蜜の出るお花がいっぱいあるわ。

蜂は言いました。

甘い蜜は大好きだけど、こっちのお花はとってもいいかおりがするの。

お昼を過ぎた頃、ゴロゴロと雷が鳴ったかと思うと、天気が一変しました。

急に雨が降り出しました。

喜んだのは、かたつむりに、かえるに、喉を乾かせたコケたちです。みんな大はしゃぎ。

蝶々は大きな木の葉っぱの下に隠れて雨宿りです。

雨が降ったので、川の水かさがみるみる増えていきました。石ころたちが動いています。上から下へころころころ。まあるく、まあるくなっていきます。

「石ころも土もみーんな下へ流れていくのに、どうして川の上の土や石ころはなくならないの?」ひょっこり出てきた、アライグマのこどもがお母さんアライグマに聞きました。

 

 

あたりはずいぶんと暗くなりました。心地いい風がすっと通りすぎます。

ホーホーホー。フクロウの声が聞こえてきました。

フクロウは空気が澄んでいると、いつもよりたくさん歌います。歌い終わると、パッと木から飛び立ちました。お腹がすいてきたのかもしれません。

夜があけ、朝になりました。朝の光、朝の音、朝のにおい。

すべての生命がいきいきと動き始めます。

奇跡のような一日の始まりは、昨日もその前も、ずっとずっと前から、毎日、毎日続いている始まりです。太陽が昇る、宇宙の不思議です。

毎日、小さな命のたねやたまごが生まれています。 お母さんのおなかのなかでも。

小さなお魚、大きな象さん、いいかおりのするラベンダーもおいしい実がなるりんごの木も。

みんなに愛される、 ちいさないのちは、たくさんたくさん時間をかけて、いろんな形、いろんな色にかわっていきます。

いのししのおかあさんは、少し大きくなったうりぼうを連れてあけびの実がなる場所にいきました。お母さんは言いました。食べ物はいつだって食べれるわけじゃないわ。でも食べれないことがいつまでも続くこともない。春も、夏も、秋も、冬も、季節は少しずつ変わり続けているの。いのししたちがいる隣の花畑では、蜂たちがうれしそうに飛びまわっていました。

 

 

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